通院の難しさと放置することの代償

通院の難しさと放置することの代償

確かに現在の忙しい社会の中では、週に1回といえども定期的に通院して鼻の治療を受ける事が難しい、という事は重々承知しています。

ただ、慢性副鼻腔炎の治療は「今治すのか?将来にツケを回すのか?」ということでもあります。いつかは治さねばならないのであれば、少しでも早いに越したことはありません。

放置することによってその期間、仕事や学習に集中できず種々の影響が起こったり、本来は美味しいはずの食事が香りや匂いがほとんど分からないまま楽しめない…このようなことは人生に於いて思った以上大きな代償を払うことになります。

頑固な頭痛や額のあたりの腫れ、目のあたりの押されるような違和感などがある場合、それらが実は副鼻腔炎が原因であることがあります。副鼻腔のすぐ周囲には眼や脳があり、副鼻腔の炎症がそこへ波及することにより、さらに視力低下、物が2重に見える、吐き気やおう吐、けいれんなどの症状がでてくることもあります(眼窩内合併症・頭蓋内合併症)。

治療は抗生剤投与だけでは難しいことが多く、炎症で出来た膿を出すために手術が必要になることもあります。 眼や脳といった周りの組織に炎症が波及することは正直少なく、また抗菌薬の発達もあり発症頻度は稀ではありますが、症状が軽いからといって放っておいて実際に上記のような合併症を起こしてしまった場合には、重篤になることが多く、現在でも非常に治療には難渋します。よって軽いうちからの早目の治療が大切となります。

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また、さらには副鼻腔の癌の発生が起こりやすくなるという報告もありますので、将来のご自身に負の遺産を残さないよう、日々の中で治療の優先順位を高く設定していただき、早く治して快適な生活を送って頂けるよう当クリニックでもお手伝いをさせて頂きます。

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小児の急性・滲出性中耳炎と副鼻腔炎の関連

中耳炎の項目に詳しく書かれているように、耳と鼻は耳管という器官でつながっています。副鼻腔炎にかかり、汚い鼻水がたくさん出て、鼻の中がウイルスや細菌でいっぱいになると、次は耳管を通って耳にまでやってきます。そこで炎症を起こし、中耳炎が生じてしまうことがあります。
はっきりと痛みがある急性中耳炎になれば、小児でも耳が痛いなど症状を訴えることが出来ますが、滲出性中耳炎の場合には、基本痛みがないため、ほとんどの大人の方であれば、また小児でもまれに耳が詰まった感じ・自分の声がひびいて聞こえる、聞こえづらいなどの症状はありますが、小児の場合はそうした症状を訴えることは少なく、一見すると鼻水はたれていても耳に関しては無症状のようにみえることがよくあります。

しかし実際には滲出性中耳炎になっており、聞こえが悪くなっていることがあります。小児が汚い鼻水を出しているときは耳の痛みを訴えていなくても滲出性中耳炎になっていないかどうかをみるために、また最初はよくても通院途中でも滲出性中耳炎になることはあるので、しっかりと治るまで耳鼻咽喉科へ通院されることをおすすめします。

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