副鼻腔炎Q&A

副鼻腔炎に関するQ&A

Q01.頭が重いのですが、これは副鼻腔炎ですか? 副鼻腔炎の場合は特におでこから頬にかけての重圧感がおこります。

Q02.他の医院である程度通院したのですが良くなりませんでしたが、そちらで治療する余地はありますか?

Q03.普段仕事があるためなかなか通いづらいのですが、何か良い治療法はありますか?

Q04.たぶんちくのう症だと思うのですが、はっきりと診断をしてほしいのです。そちらにはCTがあると聞いたのですが、CTで検査してもらうことは可能でしょうか?

Q05.いきなり慢性の副鼻腔炎になることはありますか?

Q06.子供のころにちくのう症と言われてずいぶん長期間通い、完治したと思ったのですが、大人になってまた同じような症状が出てきたのですが、ちくのう症は再発しますか?

Q07.いつも鼻水が詰まっているのですが、鼻水に色はついていません。これもちくのう症でしょうか?

Q08.副鼻腔炎・鼻炎で通院中ですが、スイミングには通ってもよいでしょうか?

Q09.子供がよく鼻血を出すのですが、なにか病気でしょうか?

Q10.十数年以上前に口から切って蓄膿の手術をしたことがあるのですが、最近頬のあたりがはれきました。手術をして完治していたはずなのに、また蓄膿になったんでしょうか?

Q11.副鼻腔炎の手術ってどうするんですか?

Q12.副鼻腔炎の手術はどういう場合に必要なんですか?

Q13.子供の慢性副鼻腔炎がなかなか治りません。こういう場合、手術することはあるんですか?

Q01.頭が重いのですが、これは副鼻腔炎ですか?
A.副鼻腔炎の場合は特におでこから頬にかけての重圧感がおこります。





それ以外の頭頂部や後頭部の痛みや重みは脳神経外科で調べていく必要があります。まず、おでこには前頭洞、目と目の間には篩骨洞、目の奥には蝶形骨洞、頬には上顎洞という4つの副鼻腔が存在する為、それらの部分が炎症を起こすと重い感じがするわけです。
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Q02.他の医院である程度通院したのですが良くなりませんでしたが、そちらで治療する余地はありますか?
A.当院の治療方針としましては、まずレントゲン、場合によってはCTを撮って副鼻腔炎の有無を調べます。なぜならば副鼻腔炎はレントゲンを撮らなければ診断がつかないケースが多いからです。

副鼻腔炎の場合にはそれに対してのお薬がありますので、急性の場合は2~3週間、慢性の場合は長期間(3~6カ月)継続して飲んでいただき、治っているかどうかを再度レントゲンを撮って評価します。そのような治療を他院でされていない場合には当院で治療する余地はあるものと思われます。


Q03.普段仕事があるためなかなか通いづらいのですが、何か良い治療法はありますか?
A.仕事があるということで通院を怠っているとその時は良いかも知れませんが、風邪をひかれて副鼻腔炎が悪化した場合には仕事を休むような重症化に陥ったり、また手術が必要となり、入院する場合もありますので、忙しい現代において通いづらいことは重々承知しておりますが、副鼻腔炎を軽視せずに治療することをお勧め致します。週に1回、場合によっては2週間に一度でも結構ですので定期的に通院してください。
Q04.たぶんちくのう症だと思うのですが、はっきりと診断をしてほしいのです。そちらにはCTがあると聞いたのですが、CTで検査してもらうことは可能でしょうか?
A.通常の副鼻腔炎であれば、レントゲンで診断は可能ではありますが、目と目の間の篩骨洞やおでこの前頭洞、目の奥の蝶形洞(ちょうけいどう)などの状態をきちんと調べるのであればCTが必要となります。特に蝶形洞(ちょうけいどう)は普通のレントゲンでは映し出すことは出来ないからです。






蝶形骨洞まで炎症が進展している副鼻腔炎の例
Q05.いきなり慢性の副鼻腔炎になることはありますか?
A.慢性というものは急性期の状態が3か月以上経過したものに対しての定義であるため、急性期の病状の治療の遷延化や無治療により、慢性の副鼻腔炎になることがあります。よっていきなり急性副鼻腔炎を経ずに慢性の副鼻腔炎になることは無いかと思います。
Q06.子供のころにちくのう症と言われてずいぶん長期間通い、完治したと思ったのですが、大人になってまた同じような症状が出てきたのですが、ちくのう症は再発しますか?
A.ちくのう症は再発することがよくあります。なぜならば、顔の骨格が原因の一つに挙げられます。また、鼻と副鼻腔のつながる直径2、3ミリの細い管(図の赤の丸印)の炎症などに伴う、空気の換気不良によってもおこります。鼻に入った細菌やウイルスがその管を経由して副鼻腔に侵入し、そこで副鼻腔炎のもととなる粘膜を形成するからです(通常では副鼻腔に入った細菌やウイルスはその管を経由して再び鼻内に戻ってくるものですが、その管の換気不良があれば副鼻腔に細菌やウイルスがとどまってしまうためです。)。
Q07.いつも鼻水が詰まっているのですが、鼻水に色はついていません。これもちくのう症でしょうか?
A.色がついておらず、さらっとした鼻水は一般的には花粉症などのアレルギー性鼻炎や、自律神経系の鼻炎(寒暖差アレルギー)などを疑いますが、ちくのう症でないとは限りません。

ですので画像検査をしてみないことにははっきりとした事はいえないのです。
Q08.副鼻腔炎・鼻炎で通院中ですが、スイミングには通ってもよいでしょうか?
A.基本的にプールに入ると鼻水が多くなる傾向があります。
これはプールの中の塩素が刺激となり、鼻の粘膜が障害されたり、プールの水自体による刺激・水中の微粒のゴミによりアレルギー反応が起きることによります。そうなると鼻の中の粘膜がはれ、副鼻腔と鼻腔との連絡路がさらに狭くなり症状が悪化したり、長引く原因となります。
しかし、全ての方が鼻水が多くなる、鼻が詰まるなどの症状が悪化するわけではないので、プールに入ってもこうした悪化がない場合や、すでに治療中で鼻の症状がそれほど強くない場合には入っても良いかと思われます。
逆に現在、膿のような鼻水が多量に出る、頭痛や発熱、鼻づまりがひどい・・・など急性症状が出ている場合にはスイミングは控えて頂いたほうが良いかと思われます。
Q09.子供がよく鼻血を出すのですが、なにか病気でしょうか?
A.アレルギー性鼻炎の項目でも書きましたように、小児の場合には、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因で鼻出血をおこしていることも多いので、鼻水の治療をしてあげることで、症状が良くなることが多いです(なお、小児の鼻血の原因の8割は鼻ほじりです。一般の方がよくご心配される白血病はきわめて稀です)。
Q10.十数年以上前に口から切って蓄膿の手術をしたことがあるのですが、最近頬のあたりがはれきました。手術をして完治していたはずなのに、また蓄膿になったんでしょうか?
A.昔ながらの手術をされてから十数年以上たってからこのような症状が出てきた場合は、術後性上顎嚢胞(じゅつごせいじょうがくのうほう)の可能性があります
Q11.副鼻腔炎の手術ってどうするんですか?
A.昔前は、口の中から切っていくという手術をしていましたが、現在は基本的には、単なる蓄膿であれば、口の中や顔は切ることなく、元々空いている鼻の中から、内視鏡を使って、副鼻腔の空洞をしっかりあけて、膿を出してあげる手術をします。手術が必要な場合には、ご相談の上、手術設備が整った高次医療機関にご紹介させていただきます。
Q12.副鼻腔炎の手術はどういう場合に必要なんですか?
A.3~6か月としっかりと薬を飲んでもらっていても、症状が改善せず、鼻ポリープ、鼻中隔彎曲症などもあり、今後薬を飲むだけでは治すことが難しい場合には、手術が必要となります。鼻ポリープや鼻中隔彎曲症の手術も同時にできます。
大人の方の場合、片方だけの影で、鼻ポリープなどといった確かな原因もないのになかなか影が消えない場合があります。そのような場合にはカビや腫瘍が原因のこともあり、CTで分かる場合もありますが、わからないこともあります。よって原因をはっきりさせるためにも、検査を兼ねた治療のため、手術をします。手術で副鼻腔をあけて直接中をみられるため、中に詰まっているものが単なる膿(慢性副鼻腔炎)か、カビや腫瘍でないかが分かります。
腫瘍であった場合は、さらなる検査・治療が必要となってきます。
Q13.子供の慢性副鼻腔炎がなかなか治りません。こういう場合、手術することはあるんですか?
A.小児の場合は特別な場合をのぞいて、基本は薬・鼻処置などで治療します。というのも、大人と違い成長するにつれ自然治癒することもあり、また手術することにより、顔面や副鼻腔の発育に影響が出る場合があるからです。しかし、上顎洞性後鼻孔(じょうがくどうせいこうびこう)ポリープや多発性鼻ポリープが充満した慢性副鼻腔炎で、薬でも全く症状が取れず日常生活にも影響が出てしまっている場合、年齢に応じて、手術する範囲を狭めて施行することもあります。