慢性副鼻腔炎

1.病気について

カゼ、虫歯、顔のケガなどに続いて発症する副鼻腔(鼻の周囲、頬の奥や眼の奥にある骨で囲まれた空洞で、鼻腔とつながっている。)の炎症、急性副鼻腔炎が治り切らないで慢性化してしまったものです。

炎症が続くことにより、鼻の粘膜が寒天のように腫れて、鼻茸(ポリープ)が鼻内にできているケースがほとんどです。

症状として頭痛、顔面痛・顔面腫脹や黄色・緑の鼻汁、鼻づまり、においが分からないなどの鼻症状がみられます。炎症が強い場合は、視力障害や髄膜炎(脳膜炎)を引き起こすケースもあります。

鼻水がのどにまわり、のどの炎症や気管支炎がおこることもあります。慢性副鼻腔炎はくり返す中耳炎の原因ともなります。

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2.ご注意いただきたいこと

①慢性副鼻腔炎の治療は、数回の外来治療で治すことは困難で、治療期間はある程度長くなります。(特に副鼻腔にカビが存在する場合はなかなか治らず、手術になるケースがほとんどです。)

②診断後2~3週間は集中的に通院して下さい。1週間に2~3回、治療に受診して下さい。 (毎日通う必要はありません。)ある程度炎症が治まれば1~2週間に1回の通院で十分です。しかしながら、最低でも3~6ケ月の治療期間が必要です。

③治療は、通院による鼻の処置、ネブライザーによる薬の吸入と薬局から出されたお薬の服用です。通常は3ケ月以上の抗生物質、粘液溶解剤などの内服が必要です。長期間の内服が必要となりますので、主にマクロライド系の抗生物質の少量投与療法を行います。(耳鼻咽喉科で広く行なわれている治療法で、長期間の内服でも安全です。)

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④治療の終了は症状の改善、消失により判断しますが、レントゲンで最初にみられた影(炎症)がなくなり、鼻茸(ポリープ)が消失すれば、完全に治った状態です。

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⑤鼻の処置や、内服治療でなかなか治らない場合は手術となります。ただし、高血圧症など循環器系の異常を持っているケースが多い高齢者の方には、積極的に手術をお薦めすることができません。(手術の方は総合病院へ御紹介致します。)

⑥副鼻腔手術は、ひと昔前は顔の皮をめくって、顔面骨を削るという手術法でしたが(かなり痛かった。)、今は内視鏡下副鼻腔手術が主流です。この手術法により、手術中、手術後の痛みがかなり抑えられるようになり、また手術後の合併症もほとんどなくなりました。

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